Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
六
そんな意味らしい言葉だった。そして今ここへ急を告げに来た手下を、頭から叱りとばしているのだった。
――その時、首領は、異様な声をすぐ外に聞いた。炙った鶏の肉を裂き、酒を仰飲っていた周りの賊も、
「やっ、なんだ?」
一斉に突っ立ち、また無意識のうちに、得物をつかんだ。
その瞬間、彼らの前面は、心に何のまとまりもない虚になっていた。そして不気味な絶叫の聞えた土間の入口にばかり気を奪られていた。
武蔵はその時、疾くに家の横手へ走っていた。そして母屋の窓口を見つけると、槍の柄を足懸りとし、家の内へ飛び込んで、土匪の首領の後ろへ立った。
「おのれかっ、賊の首領は」
声に振向いたとたん、彼の胸いたは、武蔵の突き出した槍に縫い貫されていた。
獰猛なその男は、
「うわっ」
と、血にまみれながら、その槍をつかんで起ちかけたが、武蔵が軽く手を離したので、胸に槍を突き立てたまま土間へ転げ落ちた。
もう彼の手には、次にかかって来た賊の手から引っ奪くった刀があった。それで一人を浴びせ、一人を突くと、蜂の子の出るように、土匪はわれがちに土間の外へ跳び出した。
その群れへ、武蔵は、刀を投げつけて、すぐその手へまた、死骸の胸いたから槍を抜いて持った。