Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
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二
――ふと、そのうちに人々は、彼女の焚べている細い枯木が、ただの松薪や雑木のようでなく、まことによく燃える木であることに気づいた。いや、燃えのよいばかりでなく、その焔の色が、実に美しいのに見惚れてしまった。
(おや、この薪は)
と、誰かが注意はしていたが、誰もが皆黙っているのは、その焔の麗しさに恍惚と心を奪われていたからであろう。
わずか四、五本の細い薪で、部屋中は白昼色になっていた。
その薪から立つやわらかな焔は、ちょうど白牡丹の風に吹かれているようで、時折、紫金色の光と鮮紅な炎とが入り交じって、めらめらと燃え狂うのであった。
「太夫」
ついに、一人が口を開いて、
「そなたが焚べておるその薪のう――それはいったい何の木じゃ、ただの榾とも思えぬが? ……」
光広が、こう訊ね出した時は、その光広も他の人々も、なにやら薫わしいものが、この温かい部屋いっぱいに立籠めているのを感じ出していたのである。それもたしかに、この木の燃える匂いらしかった。
「牡丹の樹でございます」
と、吉野はいった。
「え、牡丹? ……」
これは誰しも意外らしかった。牡丹といえば草花のように思っているので、こんな薪になるほどな樹があろうかと疑えて来るのだった。