Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
二
彼女は行水を浴び、歯をそめたり、髪を染めたりした。
そして、黄昏れとなれば、物々しくも扮装にかかった。彼女の死装束とする白晒布の肌着には、紋散らしのように、諸国にわたる神社仏閣の印が捺してある。
浪華では住吉神社、京では清水寺、男山八幡宮、江戸では浅草の観世音、そのほか旅の先々で受けた所の神々や諸仏天は、今こそ、自分の肌身を固め給うものと信じて、ばばは、鎖帷子を着たよりも、心丈夫だった。
――でも、帯揚の中には、子の又八へ宛てた遺書を入れておくのを忘れていない。自分で写経した「父母恩重経」の一部にそれを挟んで、ふかく秘めておく。
いや、もっと驚くべき用心は、金入れの底にはいつも、次のように書いた一札を入れていることである。
わたくし事、老齢にてありながら、大望のためさすらい居り候えば、いつなん時、返り討たれんも知れず、行路に病躯をさらし候わんも計られず、その砌は、御ふびんと思召し、このかねにていかよう共、御始末たまわりたく、途上の仁人とおやくにん様方へ、おねがい申上げおきそろ
作州吉野郷士
本位田後家 すぎ
自分の骨の届け先にまで心が届いていた。
さてまた、腰には一刀、脛には白脚絆、手にも手甲、袖無の上からさらにくけ帯をしかと締めなし、すっかり身支度が成ると、自分の居間の写経机に、一椀の水を汲み、