Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
六
六
じっと、さし俯向いて沈黙しつづけている武蔵に対して、
「山門の憎しみもそのいきさつが知れて来たためじゃ、ほかのいかなる事情を酌んでも、あんな幼少を、敵の数に入れて斬った武蔵の心はゆるし難い。この国のさむらいとは、そんなものじゃない。もっと、強ければ強いほど、傑出していればいるほど、優しいもの、ゆかしいもの、また、もののあわれを知っているもの……。叡山は、汝を追う! 一刻もはやく、このお山を出て失せいっ」
あらゆる罵詈、あらゆる嘲蔑――武蔵の胸には少なくもそう応えた――を堂衆たちは彼に浴びせかけて、ぞろぞろと帰って行った。
「…………」
甘んじて、武蔵は、その笞をうけ、ついに黙りとおしてしまった。
――が、しかし、それに対して答えがなかったのではない。
(おれは正しい! おれの信念はちがっていない! あの場合、ただ、あれ以上に出るしかおれの信念を徹する仕方はなかったのだ)
彼は、心のうちで、いいわけでは決してない――今もこの信条は取ってうごかないのである。
では、なぜ源次郎少年を斬ったのか。
それに対して、彼は自分の胸のうちでは、明らかにいい切れる。