Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
七
徳願寺に泊りあわせていた長岡佐渡は、寝ずに待っていた。
村の火は、原や沼の彼方に、すぐ間近く見えていたが、もう火の手は鎮まっていた。
ふたりの家臣は、
「はっ、見届けて参りました」
と、口を揃えていった。
「賊は、逃げたか。村の者の被害は、どんなふうだ」
「われわれが、駈けつける遑なく、土民たちが、自分の手で、賊の半ばを打ち殺し、後は追いちらしましたようにござります」
「はてな?」
佐渡は、のみこめない顔つきである。もしそうだとすれば、佐渡は、自分の主人細川家の領土の民治についても、だいぶ考えさせられることがある。
とにかく今夜はもう遅い。
そう考えて、佐渡は、臥床へ入ってしまったが、翌朝は江戸へ帰る身なので、
「ちと、廻りになるが、ゆうべの村を通って参ろう」
と、駒をそこへ向けた。
徳願寺の寺僧が一名、案内に付いて来た。
村へかかると、佐渡は、二人の従者を顧みて、
「そち達は昨夜、何を見届けて来たのか。今、道ばたで見かけた賊の死骸は、百姓が斬ったものとは見えんが」
と、不審を抱いた。
村の者は、寝ずに、焼けた家やそんな死骸を片づけていたが、佐渡の馬上姿を見ると、みな家の中へ逃げこんだ。