Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

三

三

「――早馬?」

宗矩は、思い当ることでもあるように、声を弾ませた。

兵庫も、すぐ察して、

(さては)

と、思った。しかし口に出していいことではないので、無言のまま助九郎の前から文筥を取次ぎ、

「何事でございましょうか」

と、叔父の手へ渡した。

宗矩は、手紙を披いた。

本国柳生城の家老――庄田喜左衛門からの早打であって、筆のあとも走り書きに、

大祖(石舟斎)さま御事

又々、御風気のところ

此度は御模様ただならず

畏れながら旦夕に危ぶまれ申候

然し乍ら、猶御気丈に在し、

たとえ身不慮のことあるも、

但馬守は将軍家指導の大任あるもの故、

帰郷に及ばずとの仰せに候

さは仰せられ候ものの臣下の者、

談合のうえ、とりあえず先は飛札かくの如くにござ候

月   日

「……御危篤」

宗矩も、兵庫も、呟いたまま、しばらく暗然としていた。

兵庫は、叔父の顔いろの中に、もうすべてが解決しているのを見た。こういう場合にあたっても惑わず乱れず、すぐ肚のきまるところは、やはり宗矩の聡明な点に依るものといつも感服する。兵庫となると、ただ徒らに、情がみだれて、祖父の死に顔だの、国許の家来たちの嘆きだの――そうしたものばかり見えて時務の判断はつかなかった。