Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
二
人を撲っても、後でお念仏さえいえば、罪障消滅、極楽往生、うたがいなしと信じている信心家だ。こまるね、ああいうのは」
といって、沢庵はまたすぐ、そこらの闇をあるき出して、滝つぼのある山の沢へ、
「おーいっ、お通さあん」
二
又八は、ギョッとして、
「やっ? おばば!」
と、注意した。
お杉も、気づいていた。鏡のような眼を宙へ上げて、
「なんじゃろ? あの声は」
と、つぶやいた。
しかし、つかんでいる死骸の黒髪と――その死骸から首を斬り離そうとして持っている脇差は、びくとも手からゆるめていない。
「お通の名を呼んだようだぞ。オオ、また呼んでいる」
「いぶかしいことよの。――ここへお通をさがしに来る者があるとすれば、城太郎小僧よりほかにないが」
「大人の声だ……」
「どこかで聞いたような」
「あっ、いけねえ! ……おばば、もう首など斬って持ってゆくのは止せ。提燈を持って、誰かこっちへ降りてくる」
「なに、降りてくると」
「二人づれだ。見つかるといけない、おばば、おばば!」
危急を感じると、啀み合っていたこの母子は、忽ち一体となって、又八は急々と、老母の落着いているのを案じた。