Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
血五月雨
一
「おばばに尾いて、今し方、先生のお住居へ出かけましたが」
「わしの住居へ」
「へい」
「はて、本位田のばばが、わしの住居へ、何用があって出かけたのか」
小次郎の姿が見えたので、賭博に耽っていた組も、あわてて散らかってしまい、菰のまわりにベソを掻いていた連中も、こそこそ姿を消してしまう。
菰は、きのう自分が、渡船口で武蔵に出会ったことから話して、
「生憎、親分が旅先なんで、どうしたものか、とにかく先生にご相談した上のことにしようというので出かけましたが」
――武蔵と聞くと、小次郎の眼には、ひとりでに爛として燃えるものが充ちて来るのだった。
「ううむ、然らば武蔵は今、ばくろ町に逗留しておるのか」
「いえ、旅籠は引払って、そこのすぐ前にある刀研の耕介の家へ移ったそうで」
「ほ。それはふしぎな」
「何がふしぎで」
「その耕介の手許には、わしの愛刀物干竿が研に遣ってある」
「ヘエ、先生のあの長い刀が。――なるほどそいつあ奇縁ですね」
「実はきょうも、もうその研ができていてもよい頃と、取りに出かけて来たのだが」
「えっ、じゃあ耕介の店へ寄ってお在でなすったんで?」
「いや、ここへ立ち寄ってから参るつもりで」