Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
五
その代りに、あなたも手前に、何か、身に応じたことをして下さればよい」
欣しかった。武蔵は遠慮なく、まず貰うことを先に決めた。それから礼を考えるのであったが、無一物の一剣生には、何も酬いる物がなかった。
すると耕介が、あなたは彫刻をなさるそうで、そんなことを、師の光悦から聞いていましたが、何か、観音像のような物でも、ご自分で彫った物があったら、それを手前に下さい。それと取換えということにして、刀は差上げましょう――と、彼の工面顔を、救うようにいってくれた。
五
手すさびの観音像は、久しく旅包みに負って持ち歩いていたが、法典ヶ原に遺して来たので、今はそれもない。
で数日の余裕を与えてくれれば特に彫っても、この刀を所望したい――と武蔵がいうと、
「元より、直ぐでなくても」
と、耕介は当然のこととしているのみか、
「博労宿にお泊りなさるくらいなら、てまえどもの細工場の横に、中二階の一間が空いておりますが、そこへ移っておいでなさいませんか」
と、願ってもないことだった。
では、明日からそこを拝借して、事の序に観音像も彫りましょうと、武蔵がいうと耕介も欣んで、
「それでは一応、そこの部屋を見ておいて下さい」