Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
十
(見違えるような――)
源八は見惚れていた。
木の根に腰を下ろして、
「ま、そこへかけないか」
と小次郎はいう。
それから――二人の間に交わされた話によって――師匠の甥であり、また同門である草薙天鬼が、自分へ渡す中条流の印可の巻物を持って遊歴中に、伏見城の工事場で、大坂方の間諜とまちがえられて惨死した事情もお互いによく分ってくる。
また、その事件が、世間の中に、佐々木小次郎を二人拵えてしまったわけも分って来て、果ては、手をたたいて、真物の小次郎はそれを愉快がった。
十
そこでまた、小次郎がいうには――他人の名など騙って歩くような、こういう生活力の弱い人間などを殺してみても、いっこう面白くもなんともない。
懲らすならば、もっとべつな方法がある。また草薙家の遺族や、国許の世間ていの問題ならば、なにもむりに敵討に拵えて、事情を繕わなくても、そのうち自分が上州方面へ下った折、十分死者の面目も立つように釈明して、追善の供養でも営むことにするから、それも自分にまかしておいたがいいではないか。
「――どうだな、源八」
小次郎のことばに、
「そう仰っしゃって下さるからには、私にはなにも異存はございません」