Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
道聴途説
一
緋桃の下に寝ている牝牛にならって、武蔵も、茶店の隅の床几に横になっていた。
今朝は早かった、昨夜もろくに眠っていない。いつのまにか夢は二つの蝶になっている。一羽はお通だと夢の中で思っている。連理の枝を繞っている。
――ふと眼をさますと、いつのまにか、陽は土間の奥まで映し込んでおり、寝ているうちに、居場所でも変ったかと思ったくらい、この峠茶屋に騒々しい声がしていた。
この下の谷間から石を切り出しているので、そこで働いている石切職人たちが、毎日の例によって八刻というと、ここへ甘い物をたべに来て、一頻り番茶を飲みながら饒舌を娯しむ。
「なにしろ、だらしがねえや」
「吉岡方か」
「あたりめえよ」
「ひどく沽券をおとしたものだなあ。あんなに弟子がいて、一人も刃の立つ野郎はいなかったのかしら」
「拳法先生が偉かったので、余り世間が買いかぶっていたのさ。なんでも偉いやつは初代に限るな。二代となるともうそろそろ生温くなり、三代でたいがい没落、四代目になっても、てめえと墓石のつり合っている奴アめったにねえ」
「おれなんざ、こう見えても、つり合ってるぜ」
「親代々、石切だからよ。