Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

四

「ところが、おふくろの罰があたったのか、朱実の奴が、瓜生山で辷った時の打傷が痛いといいだし、それからこの茶店でずっと寝込んでしまったというわけ。おれも後悔はしたが、もう追いつかないことだしなあ」

その嘆息を聞けば、無理もない。火を咥えている鳥と、慈母の珠とを、この男は、取り替えてしまったのである。

四

そこへ、のっそり、

「お客さあ、ここにいなさったのけ」

模糊として風貌のどこかに耄碌した茶店の老婆が、両手を腰にまわし、お天気でも見に来たように空を見まわして、

「お連れの病人は、一緒に来ていなさらねえのかよ」

問う如くでもあり、問わざる如くでもある。

又八は直ぐ、

「朱実か。――朱実がどうかしたのか」

色を顔に出していう。

「寝床にいねえがな」

「いない」

「今し方までいただが」

武蔵には、なにか、説明はできないが、直感的に、思い当るものがあった。

「又八、行ってみい」

その又八に続いて、武蔵も茶店へ駈けもどり、彼女の寝床のあったという穢い一間を覗いてみると、老婆のことばに違うところがない。

「あっ、いけねえ」

又八は、きょろついて、叫んだ。

「帯もない、履物もない。