Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
五
「武蔵、武蔵」
「武蔵が来た」
と、ささやき合った。
「ホ、あれか」
「あれだ――宮本武蔵は」
「ふうむ……たいそう伊達者だな、だが、弱くはなさそうだ」
取り残された顔つきの城太郎は、辺りの大人たちが真顔になってそれを受けとっているので、
「ちがうよ、ちがうよ、武蔵様はあんな人だもんか、あんな歌舞伎の若衆みたいなかっこうをしているもんか」
むきになってその誤謬を正していた。
彼の訂正の届かない所にいる見物たちも、やがて、様子を見ていると、どうもそれらしくないことに気づいて、
「はてな?」
と、首をかしげはじめる。
原の真ン中へ出て行った小次郎は、そこに立つと、吉岡門下の四十名ばかりの者を、例の高慢な態度で見くだして、なにか演舌しているらしいのである。
「…………」
植田良平以下、御池十郎左衛門だの太田黒兵助だの、南保余一兵衛、小橋蔵人などとよぶ十剣の人たちは、その演舌が気にくわない顔つきで、むっと黙りこくったまま小次郎のよくうごく唇元を怖い眼をして見つめているのであった。
五
そこで、佐々木小次郎が、一同へ向って、演舌していうことには、
「まだここへ、武蔵も清十郎も来ないというのは、吉岡家の天佑ですぞ。