Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
九
「ごもっともな仰せではあるが、さっき九条の居酒屋で飲んだ払いもできぬほど、その身一つさえ生きてゆくに持てあましておられるご様子ではないか。飢えてこのせち辛い世の中にうろついて、恥をかいておられるより、いっそ、さっぱりと頓証なされてはどうでございまするな。――さてまた、お金のことならば、自分が所持のうち何分だけでも、おぬしの香奠として進ぜますゆえ、これをお心残りの年寄りがあるならその年寄りへ、また回向として、先祖の寺へ納めてくれというならばそのお寺へ、必ずお届け申しておくが」
「滅相もねえ……おらお金なんぞはいらねえ、生命が惜しい! ……嫌だっ、助けてくれっ」
「折角なれど、こう仔細を割っておたのみ申した上は、どうあってもおぬしに、主人の敵となってもらわねば仕方がない。その首をいただいて、上州へ立帰り、天鬼様のご遺族や世間に対して、事情を繕う心底でござる。――又八どのとやら、これも宿世の約束ごととあきらめて下さい」
源八は、刃を持ち直した。
九
「待て待て! 源八」
と、誰かその時いった。
それが、又八の口から出た声であるならば、自分の無法の分っている感情を噛みころしても、目的のためには、