Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
四
……これこの通り、天鬼と、印籠の底に小さく彫ってある」
見遁してはならないと急ぐように、六部の影は、又八の影を、すぐ追って行った。
四
「佐々木様、佐々木様」
誰かうしろで呼ぶとは思っていたが、自分の名でない証拠である。酔っている又八の耳には、通らなかった。
九条から堀川のほうへ又八は歩いてゆく。いかにも自分の身を持て余している影だった。
六部は足を迅めて来た。うしろから又八の刀のこじりをつかんで、
「小次郎殿、お待ちなさい」
と、いった。
又八は、エ? ――と、しゃっくりでもするように振向いて、
「おれか」
というと、
「おてまえは、佐々木小次郎殿ではないのか」
六部の眼には、険しい光がひそんでいた。又八は、酔いのさめかけた顔つきで、
「おれは、小次郎だが、……その小次郎だったら、なんとする?」
「訊きたいことがござります」
「な……なにをだ」
「この印籠はどこからお手に入れましたな」
「印籠?」
いよいよ彼の酒気はさめ加減になってくる。伏見城の工事場でなぶり殺しになった武者修行の顔つきが、ふと眼のそばにちらついた。
「どこからお手に入れた物か、さ、それが訊きたい。