Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
二
――炉の薪明りが、また暗くなりかけた。そのそばに腰かけたまま先刻から壁へ倚りかかって居眠っている男がある。だいぶ酒も入っているので、居酒屋のおやじはそっとして置いたが、炉へ薪を加えるたび、火がハゼて男の髪や膝へかかるので、
「旦那さま、着物のすそへ、火がつきますで、もすこし後ろへ床几をお退げなすって」
いうと、男は、酒と火で充血した眼を、鈍そうに開けたが、
「ウム、ウム。わかっているよ、分っているんだ、そっとしておいてくれ」
腕ぐみも解かなければ、腰も上げないのである。悪酔いでもしているのか、ひどく鬱ぎこんでいるのだ。
その酒癖の悪そうな青すじの立っている顔をのぞいてみると、これは、本位田又八だった。
二
蓮台寺野の過ぐる日のことは、ここばかりでなく、行く先々でのうわさだった。
武蔵の名が有名になるだけ、本位田又八には、自分が惨めに見えて来てならない。――自分も何とか一人前のかっこうがつくまでは、武蔵の話も聞きたくない気がするが、耳をふさいでも、こうして少し人の寄る所というと話題に出るので、彼の憂鬱は、酒にも紛れきれない様子に見える。
「おやじ、もう一杯酌んでくれ。