Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

六

「……や?」

誰の足も皆、とたんに棒立ちに竦んでしまった。そして眼は――一様に平河天神の拝殿の裏にあたる――古びた廻廊の上へ、うつろに注がれた。

陽あたりのよい壁に、青梅の実のついた老梅の影が描かれていた。そこの欄に、片足をのせて、佐々木小次郎は、先刻から、森の集まりを見ていたのであった。

六

大勢の顔は、一瞬、胆を奪われて、蒼白い腑抜けになっていた。

そして、自分たちの眼を疑うように、廻廊の上に小次郎を見あげ、声を出すのはおろか、呼息も止まったように、身を硬め合っている。

小次郎は、傲岸な微笑を含んでその人々を見下しながら、

「今、そこで聞いていれば、まだ懲りもせず、この小次郎へ果し状を付けるとか付けぬとか、談合しておられたな。――使いの世話には及ばんことだ。わしは昨夜の血の手も洗わず、いずれ揺り返しがある筈と、卑怯者の後を慕って、この平河天神へ来て夜明けを待ちあぐねておった」

例の壮烈な舌を呵して、一気に小次郎はこういったが、それに気を呑まれて、大勢の顔からぐの音も出ないので、また――

「それとも小幡の門人らは、果し合いをするにも、大安とか仏滅とか、暦と相談でなければ出来ないのか。