Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

三

と伊織は、相手を心得ている。

「侍になりたいか」

と、訊かれると、伊織は、

「うん……」

と頷いた。

「では、わしの屋敷へ来い。水汲みから、草履取を勤めあげたら、末は若党に取立ててやろう程に」

というと、伊織は、黙ってかぶりを振った。そんな筈はない、きまりが悪いのじゃろう、明日は江戸へ連れて帰る――と重ねて佐渡がいうと、伊織は、納所坊がしたように、アカンベーをして、

「殿様、お菓子をくれなければ嘘つきだぜ。はやくおくれよ、もう帰るんだから」

住職は青くなって、眼から離した彼の手を、ピシャリと打った。

三

「叱るな」

と、佐渡は、住職の気遣いを、かえって窘めて、

「侍は嘘をつかぬ。今、菓子を遣らすであろう」

と、従者に、すぐいいつけた。

伊織は、それを貰うと、すぐ懐中へ入れてしまった。佐渡がそれを見て、

「なぜ、ここで喰べぬか」

と、訊ねると、

「先生が、待ってるから」

「ホ……先生とは?」

佐渡は、異な顔をした。

もう用はないといった容子で、伊織は答えずに、その部屋から素迅ッこく飛出してしまった。長岡佐渡が笑いながら寝所へはいってゆく姿へ、住職は、再三再四、低頭平身していたが、やがて、追いかけるように、庫裡へ来て、