Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
次男坊
一
「ヤ?」
朱実の影でも見つけたのか、突然、驀しぐらにどこかへ駈け去った。
次男坊
一
輿とか、輿とか、一部の階級にはそういう乗物も古くから用いられていたが、庶民の交通に実用化されて、市中や街道に駕とよばれる物が見えはじめて来たのは、つい昨今の風景といってよい。
竹の四ツ手がついている笊の中へ人間が乗って、後棒と先棒が、
「エ、ホ」
「ヤ、ホッ」
まるで荷物みたいに担いで来るのだ。
駕かきの脚が幅を飛ぶと、笊が浅いので、乗っている人間は、振りこぼされないように、前後の吊竹へ両手でつかまって、
「エ、ホ。エ、ホ」
駕かきとともに、呼吸を合せて絶えず体を弾ませていなければならない。
今――この松原の中の街道を、その駕が一挺に提燈が三つ四つ、人数が七、八名ばかり一団になって、東寺のほうから旋風みたいに駈けて来るのが見える。
夜半すぎると、この道すじにはよくそういった早駕や馬の鞭が鳴って通る。京都、大坂の動脈になっている淀川の交通が止まるので、火急となると、陸路を夜どおしして来るせいであろう。
「ヤ、サ」
「エ、サ」
「あ、ふ……」
「も少し」
「六条だぞ」
この一団も、三里や四里の近くから来たとは思われない。