Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
二
……分ったか」
「ありがとうございます」
見ているうちに、小屋は一山の火となり、やがて、十坪もない灰に化ってしまった。
「さ。行きましょう」
伊織はもう先を急く。少年の心は、過去の灰には、何の感奮もなかった。
「いや、まだまだ」
武蔵は、首を振ってみせた。
二
「まだって? ……これからまだ、何をするんですか」
伊織は、いぶかしそう。
その不審顔を笑って、
「これから、小屋を建てにかかるんだよ」
と、武蔵がいう。
「え? どうしてだろ。……たった今、小屋を焼いちまったのに」
「あれは、きのうまでのおまえの御先祖の小屋。きょうから建てるのは、われわれ二人の明日から住む小屋だ」
「じゃあ、またここへ住むんですか」
「そうだ」
「修行には出ないんですか」
「もう出ているではないか。わしも、おまえに教えるばかりではなく、わし自身が、もっともっと修行しなければならないのだ」
「なんの修行?」
「知れたこと、剣の修行、武士の修行――それはまた、心の修行だ。伊織、あの斧をかついで来い」
指さす所へ行くと、いつの間にか、そこの草むらの中には斧だの鋸だのまた、農具などだけが、炎をかけずに、取り残されてあった。