Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
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七
それを、人前で――しかもこうした場所で――忌憚なく女の口から暴かれたのでは、小次郎も、間の悪いことはもちろんだし、むかむかと腹も立って、女の顔をじっと睨めすえていた。
――すると。
いつも清十郎の供について歩く奉公人で、若党の民八という男が、街道の並木からここへ鹿のように走って来て、手をあげながら呶鳴った。
「た、たいへんだッ、皆さん、来て、来てくださいッ。――若先生が、武蔵のために、やられました。や、やられました」
七
民八の絶叫は、一同の顔から血の気を奪ってしまった。足もとの大地がふいに陥没して行くような驚きを、
「な、なにっ?」
異口同音に口走って、
「若先生が――武蔵に?」
「ど、どこで」
「いつのまに」
「ほんとか、民八」
上わずったことばがめいめいの口から不統一に吐き散らされた。――しかし、ここへ立ち寄って身支度して行くといっていた清十郎が、ここへは姿を見せもせずに、もう武蔵と勝敗を決してしまったという民八の報らせは、なんだか、まだ真実のような気がしない。
奉公人の民八は、
「早く、早く」
と、呂律のまわらない声をつづけながら、そこで息もやすまずに、元来た道のほうへ向って、また、のめるように駈け戻って行く。