Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
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虫焚き
一
それも、武蔵の考えていた通りであった。
猟師だとか、薬草採りだとかいっていたのは勿論うそで、この山に巣喰う賊であることは疑ぐってみるまでもない。
けれど、さっき、
(時節が来るまで)
と、途々いった言葉は、ほんとであろう。
どんな盗賊でも、子孫まで盗賊でやって行こうと考えている者は一人もあるまい。乱世の方便としての世渡りに、諸国には今、山賊と野盗と市盗が急激にふえつつある。そして、いざ天下の合戦となると、これが皆、一かどの錆槍とボロ鎧をかついで、陣借りして、真人間に生き甦るのだ。――ただ惜しいかなこの手輩は、雪の日、客に梅を焚いて、時節を待ちながらも時節を度外している雅懐はないのである。
虫焚き
一
火縄を口に咥え、一人は二度目の弾込めをしているらしい。
もう一人は、身を屈めて、こっちを見ている。対岸の崖の下へ、武蔵の影が仆れはしたが、なお疑って、
「……大丈夫か」
と囁いているのだった。
鉄砲を持ち直したのが、
「確かだ」
と、うなずいて、
「手応えがあった」
という。
それで安心して、二人は丸木橋を頼って、武蔵の方へ渡って来ようとした。
鉄砲を持った方の影が、丸木橋の中ほどまでかかって来ると、武蔵は起き上がった。