Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
七
「ざまあ見やがれ。意気地なしめ。……さ先生、行きましょう。どう見たって、一匹でも、蒐って来られる面はないじゃアございませんか」
七
ふたりの六方者を連れた小次郎の姿が、肩で風を切って、平河天神の鳥居の外へ消えてゆくまで――物陰から北条新蔵は見送っていた。
「……おのれ」
新蔵はつぶやいた。
それと共に、苦汁をのむような堪忍の顫えが体のなかを廻った。しかし今は――
「今に見ろ」
と、念じておくよりほか彼にはなかった。
出鼻を逆に衝かれて、拝殿の裏に立ち竦んでしまった大勢の者は、まだ一語を洩らす者もなくしんと白けたまま、かたまっていた。
小次郎が弁じ立てて行ったように、まったく、彼らは小次郎の戦法に乗ぜられてしまったのだ。
一度、臆病風に吹かれた顔に、最初の活気はもう甦って来なかった。
同時に、心頭に燃えるほどだった彼らの怒りも、女々しい灰になってしまったらしい。誰あって、小次郎の後ろ姿へ向って、
(おれが)
と、進んで追って行く者もなかったのである。
そこへ、講堂の方から、仲間が駈けて来て、今、町の棺桶屋から棺桶が五つも届いて来ましたが、そんなに棺桶を注文したのでしょうか――と訊ねて来た。