Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

三

「犬が恐いのでかくれているわけじゃありません」

「降りて来たらどうだ、とにかく」

「でも……」

朱実は、樹の上から、静かな夜の彼方此方を見まわして、

「――又八さん、そこを退いていて下さい。あの人が、捜しに来たようですから」

「あの人? 誰だ、そいつは」

「そんなこと、いま話してはいられません。とても恐ろしい人です。わたしは去年の暮から、その男を、親切な人だと最初は思って、世話になっているうちに、だんだん私に酷い真似をするんです。……それで今夜、隙を見て、六条の数珠屋の二階から逃げ出して来たところ、すぐ感づいて、後から追って来たらしいんです」

「お甲のことじゃないのか」

「お養母さんなどじゃありません」

「祇園藤次でもないのか」

「あんな人なら、なにも恐いことはありやしない。……あッ、来たらしい。又八さん、そこに立っていると、わたしも見つかるし、おまえも酷い目に遭うから隠れて下さいよ!」

「――なに、そいつが来たと?」

又八は、うろうろして、態度を決しかねていた。

三

女の眼は、男を指図する。女の眼を意識すると、男はがらにもない金力を出したり、英雄ぶって見せたりしたがる。