Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

三

わしが手伝ってやるから、おまえ達も剣を持て」

と彼は、土匪がそこらへ落して行った武器を拾い蒐め、彼女らの手にめいめい持たせて、

「おまえ達は、わしに尾いて来ればよい。わしがいう通りになっておれ、炎と賊の中から、親や子や良人を救いに行くのだ。皆の上には、鎮守の神様が加勢についている。怖れることはない」

と、いいきかせ、土橋を渡って、村の方へ近づいて行った。

三

村は焼けている。しかし、民家が散在しているため、火の手は一部らしい。

道は火光に赤く映えて、影法師が地にうつる程だった。武蔵が、彼女らを率いて、村へ近づいてゆくと、

「おう」

「われか」

「いたのか」

と、そこらの物陰に逃げ潜んでいた土民たちが、次々に集まり寄って、たちまち、何十名かの一団になった。

彼女らは、わが親、わが兄弟、わが子などの姿に出会うと、抱き合って号泣した。

そして、武蔵を指さし、

「あのお方に」

と、助けられた仔細を、訛りのひどい言葉に――しかし心からの歓びを現わして告げるのだった。

土民たちは、武蔵を見て、初めは皆、異様な眼をした。なぜならば、法典ヶ原の狂人牢人よと、常々、自分たちが、口汚く嘲笑っていた人だからである。