Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
八
「知りません!」
「そう……怒らないでさあ……ね、お通、ここじゃあ、しんみり話ができないから、どこか、ほかへ行こう」
「嫌です」
「おばばが来るとまずい。……早く行こう。おれには、とてもおまえを殺せない。どうして、おまえを殺せるものか」
手を取ると、その手は、又八の指をつよく振り切って、
「嫌ですッ。殺されても、あなたと一つの道を歩くのは嫌ですっ」
八
「嫌だと?」
「ええ」
「どうしても」
「ええ」
「お通、それではおまえは、今まで武蔵を思っていたのだな」
「お慕いしています――二世まで誓うお人はあのお方と心に決めて」
「ウウム……」
又八は身をふるわして、
「いったな、お通」
「そのことは、婆様の耳へも入れてあります。そして、婆様からあなたに告げ、この際、はっきりと話をつけた方がよいと仰っしゃるので、こういう折を今日まで待っていたのです」
「わかった……おれに会ってそういえと――それも武蔵の指図だろう。いいやそうに違いねえ」
「いいえ、いいえ。自分の生涯を決めること、武蔵様のお指図はうけません」
「おれも意地だ。――お通、男には意地があるぞ。てめえがそういう量見ならば……」
「なにするんですッ」