Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
八
八
光悦もひとがわるい。
武蔵に批評させるだけ批評させておいてから、さて、その茶碗の作者なら実はわたくしです、といったものである。揶揄されたような悪感を相手に抱かせないところなどは、なおさら罪がふかいといわなければならないが、四十八歳の光悦と、二十二歳の武蔵とでは、年齢の差というものがやはり争えない。武蔵は、自分が試みられているなどとは少しも思わず、正直に感服して、
(この人はこんな陶器まで自分で焼くのか。……この茶碗の作者がこの人だとは思えなかったが)
と、光悦の多芸多能の才に、いやその才よりも、粗朴な茶碗のような姿をしていて、実はその裡に隠している人間的な奥行の深さを――武蔵は気味わるいほどに思った。
彼が自負している剣の理から、この人物の底を計ろうとしても、持ちあわせの尺度では寸法が足らないような尊敬を正直に持ってしまった。
こう感じて来たら、武蔵はもう弱い。その人間に対して、頭を下げずにいられない性分なのだ。自分の未熟さを、ここにも見出して、彼は大人の前に小さく羞恥んでしまう一箇の未成年者でしかなかった。
「あなたも、陶器はおすきのようだな、なかなかよく観る」