Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
二
黄粉餅たべようよう。……嫌かい?」
こうなっては一体、ねだっているのか、お通を脅迫しているのか、分らない。彼女の乗っている牛の手綱は、城太郎の手に曳かれているため、彼の歩き出さぬうちは、どう焦々思っても、黄粉餅屋の軒先を、通り越えることができないからである。
「いい加減におしなさい」
遂に、お通も意地になってしまう。城太郎と共謀して、往来の地面を嘗めまわしている牝牛の背から、眼にかどを立てて、
「ようござんす。そんなに私を困らすなら、先へ歩いていらっしゃる武蔵様へ、いいつけて上げるから――」
そして彼女は、牛の背から降りそうな真似をしたが、城太郎は笑って見ている。止める真似もしないのである。
二
城太郎は、意地わるく、
「どうするの……?」
彼女が、先へ行く武蔵へ、いいつけに行かないことは、百も承知の顔つきでいう。
牛の背から降りてしまったので、お通は、仕方なしに、
「さ、はやくお喰べなさい」
と、黄粉餅屋の陰へはいって行く。
城太郎は威勢よく、
「餅屋のおばさん、二盆おくれ――」
呶鳴っておいてから、軒先の馬繋ぎに牛をつなぐ。
「わたしは喰べませんよ」
「どうしてさ」