Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
三
これはいくら考えてみても、又八には考え当らないはずである。ここから程近い小松谷の阿弥陀堂に住んでいる虚無僧の青木丹左衛門がいるか、でなければ、八十馬の毒牙にかかろうとして救われたことのある朱実でもおればだが――他にその説明をする者としては、宇宙あるのみであるが、こんな成れの果てを見るに至った虫けら同様な人間一個の解説を求めるには、宇宙は余りに大き過ぎて、また森厳であり過ぎる。
「――誰だっ。お通さんじゃないのか、そこにいるのは」
突然、二人の後ろへ、沢庵坊の声と提燈の影がさした。
「――あッ」
逃げるだんになれば、又八の若い跳躍は、当然、お杉が腰をあげてから走るよりも遥かに迅かった。
沢庵は、駈け寄りざま、
「おばばだな」
むずと、襟がみをつかんだ。
三
「そこへ、逃げてゆくのは又八ではないかっ。――これっ、老母をおいて、どこへ行くぞっ、卑怯者、不孝者、待たんかっ」
お杉の襟首を捻じ抑えながら、沢庵は闇へ向って、なおこういっていた。
婆は、沢庵の膝の下に苦しげにもがきながら、
「たれじゃ、何奴じゃ」
と、なお虚勢を失わない。
又八が引っ返してくる様子もないので、沢庵は手をゆるめて、