Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

四

真面目には聞かれない話のようだが、朱実は真面目になって、

「遠くから見たんですけれど、体は侏儒みたいに小さいくせに、顔はといえば、大人並の女なのです。そして顔は、白いのを通り越して何ともいえない色を帯び、唇は耳までキュッと裂けていて、しかも、私の方を見て、ニヤリと笑ったような気がしたんです。――思わずその時、私はキャッと叫んでしまったものでしょう。無我夢中でした。気がついた時は、この沢に辷り落ちていたんです」

と、いう。

いかにも恐かったように、朱実がそう話すので、又八は、笑うまいとしながらもつい、

「ハハハハ。なアんだ」

と、揶揄して、

「伊吹山のふもとで育ったおめえが、恐いなんていうと、化け物のほうで顔負けするだろう。燐の燃えている戦場を歩いて、死骸の太刀や鎧を剥いだことさえあるじゃねえか」

「でも、あの頃は、恐いこともなにも知らなかった子供ですもの」

「まんざら子供でもなかったらしいぜ。その頃のことを、いまだに胸に想って、忘れ切れずにいるのを見ても」

「それやあ、初めて知った恋ですもの。……だけどもう、私はあの人を、諦めてはいるんですよ」

「じゃあなぜ、一乗寺村へなど出かけて行くのか」