Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

二

雪の柴折戸を開けて、禿のりん弥は、彼を外へ送り出した。

二

遊廓の総門のすぐ外に、編笠茶屋というのがある。武蔵はそこを覗き、わらじはないかと訊ねたが、遊廓へ入る浮かれ男が、顔隠しの笠を求める店なので、元よりわらじを鬻いでいるはずはない。

「すまないが、どこかで購うて来てくれまいか」

そこの娘にたのみ、その間、武蔵は床几の端をかりて、帯、腰紐を締め直していた。

羽織を脱いで、ていねいに畳みつけ、筆と紙をかりうけて、なにか一筆しるした物を、結び文にして、その袂の中へしのばせ、

「ご亭主」

と、奥の炬燵にうずくまっている年寄りへ、それを頼んだ。

「おそれいるがこの羽織を預かっておいてくれまいか。――もし拙者が、亥の下刻(十一時)までにここへ帰らなかったら、この羽織と添えてある一通とを、扇屋におられる光悦どのまで、お届けしてもらいたいが」

「はいはい、おやすいことでございます。たしかにお預かりしておきまする」

「時に、時刻は今、酉の下刻(七時)か、戌の刻(八時)ごろか」

「まだ、そうなりますまい。きょうは雪もようで、暗くなるのが早うござりましたからの」

「今、扇屋を出てくる前に、あそこの土圭が鳴っていたが」