Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
四
四
「親分、そいつが、婆さんの財布を持っている筈ですが」
「財布はおれが奪り返して預かっている。としよりはどうした」
「たいして怪我もございません。気を失っていましたが、気がつくとすぐあの通り財布財布と喚いております」
「坐っているじゃねえか。起てねえのか」
「そいつに、脾腹を蹴とばされたんで」
「よくねえ奴だ」
半瓦は、小泥棒を睨めつけて、乾児の男へいいつけた。
「丑。杭を打て」
杭を打て――と聞くと甲州者の小泥棒は、刃物を当てられたより顫えあがって、
「親分、それだけは、どうぞご勘弁を。以後は改心して、よく働きますから」
ひれ伏して、拝んだが、半瓦は首を振って、
「ならねえ、ならねえ」
その間に、走って行った乾児は仮橋普請をしている大工を二人連れて来て、
「この辺へ打ってくれ」
と、空地の中ほどを足で示して大工へいう。
ふたりの大工は、そこへ一本の杭を打ちこんで、
「半瓦の親分、これでようがすか」
「よしよし。野郎をそこへふん縛って、頭の上のあたりへ、板を一枚打ってくれ」
「なにか、お書きになるので」
「そうだ」
大工の墨つぼを借りて、それへ差尺筆で、
一ツ 泥棒一ぴき
せんだって迄、半瓦の部屋の飯食い者、再度悪事のかど之有り候につき、雨ざらし陽ざらし、七日七晩きゅうめいさせ置候ものなり。