Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

八

城太郎は突然、柳町のほうへ駈け出した。

すると、彼方から、

「これ、どこへゆく」

「あ、お師匠さま、あまり遅いから見に行こうと思ったんです」

「そうか。あぶなく行き違うところだったな」

「総門の外に、吉岡の者が、沢山いたろ」

「いたよ」

「なにかしなかったか?」

「ああ何もしなかった」

「お師匠様を捕まえようとしなかったの」

「ウム、しなかった」

「そうかなあ」

城太郎は、武蔵の顔を覗き上げて、その顔いろを読むようにまた訊いた。

「じゃあ、なんでもなかったんだね」

「ウム」

「お師匠様、そっちじゃないよ。烏丸様へ行く道は、こっちへ曲るんだよ」

「あ、そうか」

「お師匠様も、早くお通さんに会いたいでしょう」

「会いたいなあ」

「お通さんも、きっと、びっくりするぜ」

「城太郎」

「なに」

「おまえとわしと、初めて会った木賃宿なあ。あれは、何町であったかのう?」

「北野のかい」

「そうそう、北野の裏町だったな」

「烏丸様のお館は立派だぜ。あんな木賃宿みたいじゃないよ」

「ハハハハ、木賃宿とは、較べものにはなるまい」

「もう表門は閉まっているけれども、裏の下部門をたたけば開けてくれるからね。お師匠様を連れて来たっていうと、きっと、光広様も出て来るかも知れないよ。