Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「なんでそんなことを……。お婆様、お通はそんな女子ではございませぬ。元の御恩は御恩として、いつまでも覚えておりまする」
「この頃の若い女子は、口がうまい。ようそのように優しくいえたものじゃ。この婆は正直者ゆえ、そのように言葉はかざれぬ。――そなたが武蔵の妻となれば、そなたも後にはわしが仇じゃ。……ホホホホホ、仇の肩を揉むのも辛かろうのう」
「…………」
「それも、武蔵と添いたいための苦労であろが。そう思えば、堪忍のならぬこともない」
「…………」
「なにを泣いておいやる?」
「泣いてはおりませぬ」
「では、わしの襟もとへ、こぼれたのはなんじゃ」
「……すみませぬ、つい」
「ええもう、むずむずと、虫が這うているようで気持がわるい、もっと力を入れておくれぬか。……めそめそと、武蔵のことばかり考えておいやらずに」
前の畑に提燈の灯りが見えた。いつものように旅籠の小女が、晩の食事を運んで来たのであろうと思っていると、
「ごめん下さい。本位田様のご老母のお部屋はこちらでございますか」
と、僧形の者が縁先へ立った。
さげている提燈には――
音羽山清水寺
と、書いてある。
五
「てまえは、子安堂の堂衆でおざるが……」