Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「いけません。ここへ来たら太夫様のおゆるしのないうちは帰られないんですよ。黙って帰ると、あなたも笑われますし、私も後で叱られます」
禿の冗談さえ、武蔵は、真顔になって聞いていた。そういうものかと信じているのである。
「ですから黙って帰っては嫌ですよ。私が来るまで、ここに待っていらっしゃい」
りん弥が出てゆくと、しばらく経って、そのりん弥から聞いたのであろう、沢庵がはいって来て、
「武蔵、どうした」
と、肩をたたいた。
「あっ?」
これはあっと驚くほどな出来事に違いない。さっきりん弥が、お坊様が来ているとはいったが、まさか沢庵であろうとは武蔵も思っていなかったのである。
「――しばらくでした」
座を辷って、武蔵が、両手をつかえると、沢庵はその手を握って、
「ここは遊びの里だ、あいさつはざっとにしよう。……光悦どのも共に来ているという話だが、光悦どのは見えないじゃないか」
「どこへ参られたやら?」
「捜して、一緒になろう。おぬしにはいろいろ話したいこともあるが、それは後にして」
いいながら、ふと沢庵が隣の襖を開けると、そこの炬燵布団へ小屏風を囲い、雪の夜を心ゆくまで暖まりながら寝ている人がある。