Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
旅を朝立つものと決めているのは、普通の旅行者のことであって、沢庵には朝立ちも夕立ちもさしたる問題ではないらしい。今もすでに、陽脚は西にうすずいて、往来の人影にも、のろく通る牛車にも、虹いろの暮靄が映していた。
沢庵さん、沢庵さん、と頻りに後から呼びかけて追って来る者がある。――城太郎だなと沢庵は困ったような顔つきを振り向ける。城太郎は息をきって、彼の袂をとらえ、懸命に訴えた。
「後生だから沢庵さん、もいちど帰って、お通さんになんとかいっておくれよ。お通さんがまた泣き出しちまって、おいらには、どうしていいか分らないんだもの」
「おまえ、話したのか。――武蔵のことを」
「だって、訊くから」
「そしたら、お通さんが、泣きだしたというのか」
「ことによると、お通さんは、死んでしまうかも知れないぜ」
「どうして」
「死にたそうな顔しているもの。――こんなこといったよ。――もいちど会って死にたい、もいちど会ってから死にたいッて」
「じゃあ、死ぬ気づかいない。抛っとけ、抛っとけ」
「沢庵さん、吉野太夫って、どこにいる人」
「そんなこと訊いて、どうするつもりじゃ」
「お師匠さまは、そこにいるんじゃないか。