Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

二

「その通りだ。――武蔵はもう約束の場所へ、先に来ているかも知れないが、敵を焦立たせようという清十郎先生のお考えで、わざと、遅刻しているのかも知れない。門下の者が、下手に動いて、助太刀したなどと評判されては、吉岡一門の大きな名折れだ。相手は多寡の知れた牢人武蔵ひとり。静かにしていよう。若先生が颯爽とここへ見えられるまで、林のように、我々は、静観していることだ」

二

その朝。

この乳牛院の原へ、寄るともなく集まった者たちは、勿論、数から見ても、吉岡門下のほんの一部の人々に過ぎなかったが、その顔ぶれの中には、例の植田良平がいるし、京流の十剣と自称している高弟組の半分は見えているから、まず四条道場の中堅どころは、出張っているといってもさしつかえない。

師の清十郎は、ゆうべ、

(助太刀の事、かたく無用)

と、これは誰へも同様にいい渡したことらしかった。

また、門下のすべての者は、きょうの師の相手である武蔵という者を、決して、

(多寡の知れた相手)

とは軽視していなかったが、そうかといって、師の清十郎が、たやすく彼に敗れようなどとは、どうしても考えられないのであった。