Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
四
四
――今、お通さんは病の床についている。そのお通さんは、どんなに、どんなに、お師匠さまに会いたがっているか知れない。
かわいそうだ!
お通さんは、お師匠さまのあなたに、会えばいいっていうんだ。それだけなんだ。
この正月の元日、五条の大橋でよそながら出会うことは出会ったが、お師匠さまが変ちくりんな女と仲がよさそうに話したり泣かれたりしていたので、お通さんはすっかり怒ってしまい、蓋を閉めた蝸牛のように、いくら手を引っ張ったって、出て来やしない。
むりもないや。
おいらだって、あの時、なんだかむしゃくしゃして、癪にさわったもの。
でも、そんなことはもういいから、これからすぐに、烏丸のお館まで来てください。そして、お通さんに、来たよといってやってください。それだけでも、お通さんの病気はきっと癒ってしまうに違いありませんから。
――以上の言葉は、城太郎が、未熟な弁を懸命にふるって、武蔵へうったえた沢山の口数のあらましである。
「……うん。……うん」
武蔵は何度もうなずいていう。
「そうか、……そうだったのか」
と、同じように。
そして肝腎かなめな――ではお通に会おうということは、なぜか、口を結んでいわないのである。