Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
五
頬を紅にして杯を出した。
だが又八は、手を出さない。
五
見栄っ張りな小次郎も、酔うとひとりでに、常の容態や端麗も構えから忘れてしまう。
「又八、なぜ飲まぬ」
「もうお暇だ」
左の手が走ると、ぐっと又八の腕くびをつかみ、
「いかん!」
「でも、武蔵と」
「ばかをいえ。貴様一人で、武蔵と名乗り合ったら、立ちどころに返り討ちだぞ」
「そんな争いはもうお互いに捨てたんだ。俺は、あの親友に縋って、これから江戸へ行って真面目に身を立てるつもりだ」
「なに、武蔵に縋ってだと? ――」
「世間は武蔵を悪くいうが、それは俺のおふくろが悪くいい触らすからだ。おふくろは武蔵を思い違いしている。つくづく今度はそれが分った。同時に俺自身も悟った。おれはあの善友に習んで、遅れ走せだがこれから志を立てる所存だ」
「アハッハハハ。わははは」
小次郎は手を打って笑い、
「お人好し! おいっ、おふくろ殿もいっていたが、なるほど、貴様は世にも稀なお人好しだ。武蔵に悉く騙されたな」
「いや、武蔵は」
「まあ、黙れ、いうな。第一おふくろを裏切って仇に加担する不孝者がどこにあろう。他人の佐々木小次郎でさえ、あの老母の言葉には義憤を感じ、将来助太刀をしようとまで誓っているのに」