Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
と、石母田外記は、まだなかなか酔うほどに行っていない。
酒を運ぶ女に、幾度か、灯を剪らせて、
「ひとつ今夜は、飲み明かし、語り明かそうではないか」
武蔵も腰をすえて、
「やりましょう」
と、笑みを含め、
「――外記殿は最前、烏丸のお館へはよく参ると仰せられたが、光広卿とご懇意でございますか」
「ご懇意という程でもないが――主人の使いなどで、しげしげ参るうちに、あのように御気さくなので、いつのまにか、馴々しゅう伺っておるので」
「本阿弥光悦どののお紹介わせで、私もいちど、柳町の扇屋でお目にかかりましたが、公卿にも似あわぬ、快活な御気性と見うけました」
「快活? ……それだけでござったかの……」
と外記はすこしその評に不満らしく、
「もっと長く話してみたら、必ずあの卿が抱いている情熱と智性でもお感じになったであろうに」
「何分、場所が、遊里でござりましたゆえ」
「なるほど、それではあの卿が、世間を化かしている姿しかお見せなさるまい」
「では、あの方の、ほんとの相はどこにあるのですか」
何気なく、武蔵が問うと、外記は坐り直して、ことばまで改め、
「憂いの中にあるのでござる」