Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
四
武蔵は、茫然としていた。
「…………」
何か、大きな未熟を自己に発見したような気持で。
剣を持っては、隙がないと自負している自身も、世わたりの俗世間に立ち交じる、無智の宿場人足にも翻弄される自分でしかなかった――と明らかに世俗的な不鍛錬が分ってくる。
「……仕方がない」
武蔵はつぶやいた。
口惜しいとも思わないが、この未熟は、やがて三軍を動かす兵法のうえにも現れる未熟である。
これからは謙虚になって、もっと俗世間にも習おうと思う。
――そして彼はまた、楼門の方へ足を返して来たが、ふと見ると、自分の去った跡へ来て、誰か一人立っている。
四
「オ。旦那」
楼門の前で辺りを見廻していたその人影は、武蔵の姿を見つけると、石段を降りてきて、
「お探しになっているお人の、一方だけ分りましたから、お報らせに参りましたんで」
と、いった。
「え?」
武蔵はむしろ意外な顔して――よく見るとそれは、今朝、半日の駄賃をやって、八方へ手分けして走らせた宿場人足の中の一人であった。
たった今、
(騙されたのだ)
と、神馬小舎の前で嘲われて来ただけに、武蔵は、意外だったのである。
同時に彼は、自分から半日の駄賃と酒代を詐取した十幾人もの人間が世間に満ちてはいるが、