Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「何をしてるんだろ?」
彼は、冒険に狎れて来て、いつのまにか、かなり近くの物陰まで、這い寄ってながめていた。
やがてのこと。
悠々と、煙草入れを仕舞うと、男はぬっくと起ち上がった。そしてかぶっている黒い布を脱ったので、顔もよく見えた。やはり奈良井の大蔵なのである。
覆面に使っていた黒布を、手拭のように腰に挟むと、彼は、大地にはびこっている巨松の根を、一周りぐるりと巡ってあるいた。そしてどこから拾い出したのか、手には、いつのまにか、一挺の鍬を持っている。
「……?」
鍬を杖に立てて、大蔵はしばらく夜の景色でも眺めるように突っ立っている。城太郎もそれで気づいた。この丘は、町場のある本宿と、砦や屋敷ばかりの住宅地との境になっている丘であった。
「うむ」
大蔵は、独りでうなずいた。そしてやにわに、松の根の北側にある一個の石を転がし、その石のあった下を目がけて、ざくと、一鍬入れはじめた。
三
鍬を振りだした大蔵は、わき目もふらずに、土を掘りのけた。
みているうちに、人間の体が立ったままであらかたはいるぐらいな穴になった。――そこで彼は、腰の黒い手拭で、ひと汗拭いた。