Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「参らない」
「あの石へ、叩きつければ、おまえは死ぬぞ。それでも参らないか」
「参らない」
「強情な奴だ。もう、貴様の敗けではないか。参ったといえ」
「……でも、おらは、生きてさえいれば、おじさんに、きっと勝つものだから、生きているうちは参らない」
「どうして、わしに勝つか」
「――修行して」
「おまえが十年修行すれば、わしも十年修行して行く」
「でも、おじさんは、おいらよりも、年がよけいだから、おらよりも、先へ死ぬだろう」
「……む。……ウム」
「そしたら、おじさんが、棺桶へはいった時に、撲ってやる。――だから、生きてさえいれば、おらが勝つ」
「……あッ、こいつめ」
真っこうから一撃喰ったように、武蔵は、三之助のからだを、大地へ抛り出したが、石のところへは、投げなかった。
「……?」
ぴょこんと彼方に立った三之助の顔をながめて、むしろ愉快そうに、武蔵は手を叩いて笑った。
一指さす天
一
「弟子にする」
武蔵は、その場で、三之助に言葉をつがえた。
三之助の欣びは、非常なものだった。子供は、欣びをつつまない。
二人は、一度、家へ戻った。――明日はもうここを去るというので、三之助は、こんな茅屋でも、自分まで三代も住んだ小屋かとながめて、夜もすがら、祖父の思い出や、祖母や亡母のことなどを、武蔵へ話して聞かせた。