Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
四
「何をしてるだ?」
と、いぶかり顔に、
「小屋あ、ほっ建てて、あんな所に、住む気でいるのか」
「ひとりは、死んだ三右衛門とこの餓鬼でねえけ」
うわさが拡がる。
嘲う者ばかりでもなく、中にはわざわざやって来て、親切に呶鳴ってくれる者もあった。
「そこなお侍よう、おめえッちら、そんなとこを、せッせと開墾いても、だめなこったぜよ。いっぺん暴風雨がやって来て見さっせ、百日の萱だがなあ」
幾日か経って、また来てみても、黙々と、伊織を相手に、武蔵が労働しているのを見ると、親切者も少し、腹を立てたように、
「おウい。くそ骨折って、つまらねえところに、水溜りを拵えるでねえだ」
また――数日おいて来てみたところ、相変らず、二人の耳のないような姿が働いているので、
「阿呆よっ」
と、こんどは、ほんとに怒ってしまい、そして武蔵を、ふつうの智恵のない馬鹿者と見なして、
「藪や河原に、喰える物ンの芽がでるくらいならよ、おらたちゃあ、太陽さまに腹あ干して、笛ふいて暮らすがよ」
「飢饉年は、ねえわい」
「止めさらせ、そんなとこ、掘りちらすなあ」
「むだ骨折る奴あ、くそ袋もおんなじだよ」
鍬を打ち振りながら、武蔵は土へ向ったまま笑っている。