Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
たしなめられてはいたが、伊織は時々、むッとして、
「先生、あんなこと、大勢していってるよ」
「ほっとけ、ほっとけ」
「だって」
と伊織は、小石をつかんで、抛りそうにするので、武蔵はくわっと眼をいからせて、
「これッ。師のことばを聞かぬやつは、弟子ではないぞ。――何する気かっ」
と、叱りつけた。
伊織は耳がしびれたようにハッとした。けれど、手に握った石は素直に捨てられもせず、
「……畜生っ」
と、近くの岩にたたきつけて、その小石が、火花を出して、二つに割れて飛んだのを見ると、何だか悲しくなってしまい、鋤をすてて、しくしくと泣き出してしまった。
(泣け、泣け)
といわないばかりに、武蔵は、それも抛っておく。
すすり泣いていた伊織は、だんだん声を高めて、果ては、天地にただ独りいるように、声をあげて、大泣きに泣き出した。
父の死骸を二つに断って、山の墓所へひとりで埋めに行こうとしたくらいな剛気を持っているかと思うと、泣けばやはり、から子供であった。
――お父さん!
――おっ母さん!
――祖父。祖母っ。
届かぬ地下の人へ、届けよとばかり、訴えているかのように、武蔵には、強く胸を打ってくる。