Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

「――若殿は?」

と、長岡佐渡は探していた。

御書見の間にも見えない。馬場にもお姿はない。

藩邸の地域はずいぶん広かったが、まだ庭などは整っていない。一部には元からの林があり、一部は伐木して馬場となっている。

「若殿は、どちらにお在で遊ばすな」

佐渡は、馬場の方から戻りながら、通りかかった若侍にたずねた。

「お的場でござります」

「ああお弓か」

林の小径を縫って、その方角へ歩いてゆくと、

――ぴゅうん

と、快い矢うなりがもう的場の方に聞える。

「おう、佐渡どの」

呼びとめる者があった。

同藩の岩間角兵衛である。実務家で辣腕で、重く見られている人物だった。

「どちらへ」

と、角兵衛は寄って来た。

「御前へ」

「若殿は今、お弓のお稽古中でござるが」

「些事ゆえ、お弓場でも」

行き過ぎようとすると、

「佐渡どの、お急ぎなくば、ちとご相談申したいことがあるが」

「なんじゃの」

「立話でも――」

と、見まわして、

「あれで」

と、林の中の数寄屋の供待へ誘った。

「ほかではないが、若殿との間に、何かのお話が出た折に、ひとり御推挙していただきたい人物があるのじゃが」

「御当家へ奉公したいという人間かの」