Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「大丈夫、武蔵とわしとの間には、意地でも背後を見せられぬものがある。万一、逃げたりなどしたら、武蔵は剣士としての生命を失うことになろう。だがあれは、それでも逃げるほど反省力のない男ではない」
「じゃあ両側の軒下に、わかれていますか――」
「家の中から、わしが武蔵を連れ出して、肩を並べながら往来を歩いて来る。足数にして、十歩ほども、歩いた頃に、わしが一太刀、抜き打ちに浴びせておくから――そこを、おばばに斬ってかからせるがよい」
お杉は、何度も、
「ありがとうござりまする……。あなた様のおすがたが、八幡の御化身のように見えまする」
と、掌をあわせて拝んだ。
自己の影を拝まれながら「御たましい研所」の厨子野耕介の門口へ歩み寄って行った小次郎の心には、自分の行為に対する正義観が、他人には想像もつかないほど、大きく胸に拡がっていた。
彼と、武蔵のあいだには、初めから、そう宿怨というほどなことは何もなかった。
ただ、武蔵の名声が高まるにつれて、小次郎は、何となく快くなかったし、武蔵はまた、小次郎の人よりもその力を、尋常でなく認めているので、彼に対しては、誰よりも特殊な警戒を抱いて迎えた。