Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
従って兄との仲は至ってよくない。それでも拳法の在世中は兄弟してあの道場に励んでいたものだが、父の死去をきッかけに、伝七郎はほとんど兄の道場では刀を持った例がない。去年のこと、友達二、三名と伊勢へ遊びに出かけ、帰りには大和の柳生石舟斎を訪ねるのだといって出たが、京都にはそれきり帰らず、消息もなかったのである。――一年も帰らないからといっても、誰も、この次男坊が飢えているとは案じなかった。わがままをいって、大酒を飲んで、兄貴の悪口をいって、自分は一切働かずに天下を見下し、父の名を時々振廻しておりさえすれば、それで飢えもせずに結構通ってゆく――律義者から見ればふしぎな――次男坊の生活力というものがやはり伝七郎には備わっているからである。(この頃はなんでも、兵庫の御影あたりで、誰やらの下屋敷にごろついているそうな)そういう噂は聞えたが、かくべつ気にもとめないでいたところへ――今度の清十郎と武蔵との蓮台寺野事件であった。
瀕死の清十郎が、
(弟に会いたい)
と、あの後でいったことも門弟達の胸を衝いたが、そうでなくとも、一門の者は、
(この不覚を雪ぐには、御舎弟よりほかにない)