Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

――貴様たちも、その兄貴とおれとを、一緒に視るなよ」

「それはもう……」

と、口を濁した後で、南保余一兵衛という古参がいった。

「御舎弟のお力は、我々も信じておりますが……だが」

「だが……なんだ?」

「お兄上のお考えにしてみると、相手の武蔵は一介の武者修行、こちらは室町家以来の御名家、秤にかけてみても、これは損な試合で、勝っても敗けてもつまらない博奕だと、こう賢明に悟られたのではございますまいか」

「――博奕だと」

伝七郎の眼がキラとむつかしく光ったので、南保余一兵衛はあわてて、

「アア、失言でした。そのことばは取り消します」

皆まで聞かずに、

「これ」

と、伝七郎は彼の襟がみをつかんで突っ立ち、

「……出て行け! 臆病者」

「失言でした、御舎弟……」

「だまれっ、貴様のような卑劣者は、おれと同席する資格がない。――去れッ」

突き飛ばしたのである。

道場の羽目板へ背をぶつけたまま、南保余一兵衛は真っ蒼になっていたが、やがて静かに坐って、

「御一同、永々お世話に相成りました」

それから正面の神壇へも礼儀をして、ついと、邸の外へ出て行った。

――目もくれないで、

「さあ、飲め」