Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「冷えるわい」
紹由は、猫背になって、ちょこなんと、もうその広い部屋の、一つの敷物に乗っかっている。
光悦も、先に坐り、
「さあ、武蔵どの」
と、真ん中に空いている敷物をすすめるのだった。
「いや、それは――」
と控えて、武蔵は下座に着いたまま、かたくなっていた。二人がすすめる座布団は、床の間の正面である。この物々しい建築と睨めッこして、そんな上座へ、殿様みたいに坐るのは、遠慮というよりも、武蔵はどうも嫌だった。しかし相手は、遠慮と取る。
「でも、こよいは、あなたがお客じゃから……」
紹由はすすめて、
「わしと、光悦どのとは、いつもいつも、まあ、こんなあんばいに、飽きもせで、飽かれもせで、日をつぶしている古友達。あなたとは初対面、まず、まず」
と、扱ってしまおうとする。
武蔵は、辞して、
「いや、それでは恐縮。わたくしのような若い者が」
すると、紹由が、
「遊廓で年をいうやつがあるか」
と、突然くだけた調子でいって、ワハハハハと猫背の肩をゆすぶって笑った。
もう茶や菓子を持った女たちがうしろへ来ていた。席のきまるのを待っているのである。光悦は、武蔵の気持を救うつもりで、